組合からのお知らせ 日本橋料飲組合からの最新情報をお届けします。

酒類の提供自粛による飲食店への打撃について

令和3年6月 吉日

日本橋久松飲食業組合
組合長 山田耕之亮

日本橋料理飲食業組合
組合長 二永展嘉

新型コロナウイルスの感染拡大により、昨年(令和2年)の4月以降、3度に渡る緊急事態宣言が発出され、その間、都内、とりわけ中央区内日本橋地域の各飲食店は、政府、並びに東京都の要請に応じ、感染拡大を防止すべく時短営業、等に対応して参りました。

そしてこの度の3度目となる緊急事態宣言では、時短営業に加え酒類の提供自粛が要請されるに至り、地域の飲食店は更に大きな打撃を受ける結果となっています。そもそも、飲食店の営業は「美味しい料理」と「美味しい酒類」があって成り立つものであり、「その片方の提供の自粛要請」は、「飲食店としての営業そのものの自粛要請」に等しいものです。結果として、飲食業界は今や危機的状況を迎えつつあると言っても過言ではない営業状態です。

地域の飲食店では、昨年の新型コロナウイルスの感染拡大以来、政府、並びに東京都で実施された給付金や緊急的な融資を受けることで、これまでの売上の落ち込みを補って来ました。しかしながら、1年以上を経過した今なお感染の収束は見えないばかりか、感染収束後の売上回復の見通しも立たない状況に不安ばかりが募る毎日です。
飲食店の中には、昨年の緊急融資の返済が始まっているところもあり、飲食業界を軸にした地元経済の立て直しには一刻の猶予もない事態と考えられます。

他方、目を転じますと、一部の飲食店では政府・東京都の要請を無視する形で、或いは事業の存続上、やむを得ず酒類の提供に踏切る店舗があり、多くの方々がそれらのお店を集中して利用する実態があることも事実です。このまま酒類提供の自粛が続けば、この傾向は益々広がるものと思われ、都の要請自体が意味の無いものになってしまいます。政府・東京都の要請に素直に応じた飲食店だけが大きなダメージを受ける、まさに「正直者が馬鹿を見る」といった構図は早急に是正して頂かなければなりません。

今後、同じ内容で緊急事態宣言が延長された場合、多くの飲食店が閉店や廃業に追い込まれるだけでなく、それ以上の雇用が失われる可能性があります。関連する様々な業界にも甚大な影響が及ぶことは疑いようもありません。

また、街の飲食店が元気を取り戻すことは、ユネスコに無形文化遺産として認められた日本人の伝統的な食文化である「和食」を守ることにも繋がるものと考えます。このままでは、世界に一目置かれる伝統が途絶えかねません。

上記の観点から、「消毒薬の設置・スタッフのマスク着用」、「十分な換気」、「客席の間隔の確保、若しくはアクリル板設置による飛沫防止対策」、「店内利用時間の徹底」、等の一定の感染拡大防止措置を設けた店舗には、酒類の提供を認めて頂き、飲食店としてのそれぞれの業態が維持していける最低限の営業を保証して頂くことを切にお願い申し上げます。

緊急事態宣言内容への嘆願書(PDF)

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